伊藤美月の唐草花紋急須をお買取りしましたので、伊藤美月について、また萬古焼について、少しばかり豆知識をご紹介いたします。
萬古焼とは、日本の伝統的な陶磁器、焼き物のひとつで、現代では三重県の四日市萬古焼が有名です。
その誕生は江戸時代までさかのぼり、沼波弄山(ぬなみろうざん)という人物が現在の三重県朝日町小向(おぶけ)に窯を開いたことから始まります。自分の作品がいつまでも残り続けるように、という願いを込めて弄山が「萬古不易」という印を押したことから、この窯で作られた焼き物は萬古焼と呼ばれるようになります。
弄山の代から脈々と受け継がれた萬古焼は、この辺りの地域で人気を博すようになります。そんな折、小向の隣町であった四日市の村役人だった山中忠左衛門という人物が、その人気に着目して村おこしのために導入したことが、四日市萬古焼の誕生とされています。
当時、四日市の村は度重なる水害に襲われ、年貢も支払えないほどに困窮しており、この窮地を救ったのが萬古焼だったのです。
その後も、さまざまな職人にその技術が受け継がれていき、日本有数の焼き物として名を馳せるようになった萬古焼。
その第一人者として、四日市萬古焼無形文化財保持者に認定されたのが伊藤美月でした。
伊藤美月は陶芸を家業とする家に生を受け、18歳のころからその世界に入って技を磨いてきました。彼が生み出す陶器は数々の展覧会で入賞し、四日市萬古焼の知名度を上げることにも貢献しました。急須や花器、香炉など幅広い創作活動を続ける伊藤の信念は「自分は職人であり作家ではない」ということだそうです。
これは、例えば茶器(急須)であれば、急須は見せるものではなく、使ってその美を感じるものであるという考えで、あくまでも「使うため」に作っているという信念となります。
今回お買取りした急須もまるで芸術作品のように美しいものですが、ただ飾っておいて使わないというのは、伊藤の本意ではないということです。
唐草花紋が浮き彫りになっている急須は、どの角度から見ても非常に美しく、その曲線美と重厚感、凛と佇む姿は、息を飲むほどですが、飾っておいてひとつの角度から眺めるのではなく、茶道具として、お茶を淹れる一連の所作の中でその美しさを楽しむのが正しいということになるのでしょう。
お着物と合わせたり、屏風や掛け軸と合わせたりして、楽しみたい、そんな急須です。
カインドベアでは、日本のあらゆる名窯の陶器や食器などを、積極的にお買取りしております。伝統的で高価なものだとは分かるけれど使わずにしまい込んでいるというものがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
沖縄の伝統的な郷土玩具、古倉保文の『琉球張り子:チンチン馬(チンチンウマグァー)』をお買取りさせていただきました。
琉球張子は、古くから沖縄で作られてきた伝統的な郷土玩具です。子どもの健康と成長、そして出世を願って親が買う縁起物で、旧暦5月4日の『ユッカヌヒーの日』に開催された玩具市で売られていました。
「ユッカヌヒー」とは沖縄の方言で「4日の日」という意味で、子どもたちの健やかな成長を願う日です。
琉球張子は沖縄らしい南国の雰囲気が感じられる鮮やかな色使いが特徴で、今は土産店などに沖縄郷土手工芸品として並んでいます。
琉球張子のモチーフはさまざまで、お土産として人気なのはシーサーや琉球王国の民族衣装をまとった人形などですが、今回お買取りした「チンチン馬」も代表的なモチーフのひとつです。
チンチン馬(チンチンウマグァー)とは、琉球王朝時代の風俗を表したモチーフで、王族が馬にまたがった姿を表現しています。車のついた木箱の下には針金の弦がつけられており、引っ張るとそれがチンチンと音を立てることから「チンチン馬」と呼ばれるようになりました。「チャンチャン馬(チャンチャンウマグァー)」や「シャンシャン馬(シャンシャンウマグァー)」と呼ばれることもあります。
また、車を転がすと、馬の頭が上下にうごくからくりも仕込まれており、独特な雰囲気を楽しめます。
玩具として作られていた琉球張子ですが、当時は一般庶民にはなかなか手の出ない高級品だったと言われています。
本作は琉球張子の第一人者である古倉保文が製作したもので、木箱の裏側には「琉球郷土玩具 古倉保文」と押印されたラベルが貼られています。
「チンチン馬」は、午年の年賀切手のデザインにも起用され、新年の喜びを表現するかのような艶やかなデザインで人々の目を楽しませました。
カインドベアでは、日本の民芸品、古美術品、伝統工芸品など、価値あるさまざまな作品のお買取りに力を入れています。日本が誇る名匠の作品や、歴史的価値の高い代物など、ご自宅に眠っているものがございましたら、ぜひ一度査定させていただければ幸いです。
日本だけでなく、世界の名画、アート作品、版画なども積極買い取りしております。価値ある芸術作品を、必要とする人のもとに届け、日の目を浴びられるよう、ぜひともご協力くださいませ。
「トーマス・マックナイト(Thomas McKnight)の風景画『コウベ キタノ(HC3950)」のシルクスクリーン(版画)をお買取りしました。本人サイン付きです。
トーマス・マックナイトは、セリグラフ(シルクスクリーン)という版画で名を馳せたアメリカの画家です。
1941年にカンザス州のローレンス市というところで生まれたトーマスは、母に油絵セットをプレゼントされたことがきっかけで絵の世界にのめり込んでいくようになります。そして、コロンビア大学で美術を専攻し、画家としての人生を歩み始めました。
30歳を過ぎるころに、ギリシャのミコノス島へと避暑に向かった先で、その風景に魅了され、何枚もギリシャの風景画を描きました。
トーマスの作風の特徴として上げられる、童話や寓話の中の楽園をイメージさせるような雰囲気、物語の挿絵のような画風は、特にギリシャの街並みや建物を印象的に映し出し、彼を代表する作品の数々となっています。
その後、セリグラフ(シルクスクリーン)という版画技法で、制作数を限定して販売した作品が人気を博し、彼の名を世界に知らしめることとなります。
1991年に、神戸で開かれた「アーバンリゾートフェア神戸’93」のイメージアーティストとして選ばれ、1992年から2年間、日本各地で来日展や個展が開かれたことで、日本でも良く知られたアーティストとなります。
今回お買取りした『コウベ キタノ』は、トーマスが神戸北野を訪問した際に描いたセリグラフの作品で、異国情緒漂う北野の風景が見事に表現されています。
「うろこの家」と思われる洋館と、港、そして日本を象徴する桜の花が印象的に描かれ、日本と西欧の文化が融合した神戸・北野の街を1枚の画として描いた版画からは、トーマスの神戸への愛着が感じられます。
どこか可愛らしさも感じられる画風は、アート作品としてお部屋やオフィスに飾るのにピッタリです。
カインドベアでは、あらゆる美術品、アート作品、工芸品を積極的にお買取りしております。作者情報の分かるもの、サイン入りのもの、歴史的価値の高いものなどは、高額査定となることもございますので、ご自宅に芸術作品がございましたら、ぜひ当店までお持ちください。心よりお待ち申し上げております。
遥かなるシルクロードから届いた美しきガラスの器、『白琉璃碗(はくるりのわん)』の復元レプリカ碗をお買取りさせていただきました。とても貴重で、歴史的な価値もある『白琉璃碗』のレプリカとあって、シルクロード世代の方たちの中には目が無い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この器のオリジナルは、ガラス工芸作家の由水常雄が復元を手掛けたもので、奈良の正倉院に展示されています。
由水常雄は、ガラス細工、特に切子で有名なチェコに留学し、その腕を磨きました。また、美術やガラス工芸の歴史にも明るく、数多くの著書を執筆しています。その彼が復元に携わり、研究により古代技術を用いて復元した『白琉璃碗』とは一体どのようなガラス器なのでしょうか。
正倉院に展示されている白琉璃碗は、はるか昔、6世紀にササン朝ペルシアで作られたと言われています。それも、王立工房で王に献上されるために作られたのではないかと推察されています。ササン朝ペルシアは3世紀から7世紀にかけ、現在の西アジアから中央アジアが位置する広大な土地を支配していた大きな国でした。
その白琉璃碗が、シルクロードを渡り東へ東へと伝わっていき、やがて日本へとやってきます。日本でも6世紀に天皇陵から白琉璃碗が出土していることから、かなり早い段階で日本にもその技術や製法が伝来していたということが分かっています。ただ、この白琉璃碗は正倉院にあるものとは異なり、正倉院にあった白琉璃碗(復元前のもの)は、いつ、どのタイミングで、どのようにして正倉院に収められたのか分かっていません。記録がないため謎に包まれています、
そんな謎めいた白琉璃碗の輝きを再現したレプリカは、ガラスの美しさを切子が見事に表現しています。光を受けてキラキラと煌めきを放つ碗は、いつも微妙に異なる表情を見せ、決して飽きさせません。芸術作品としても非常に価値が高く、飾っておくだけでもその場が高貴な雰囲気に包まれるようです。
シルクロードに想いを馳せながら、古より受け継がれてきた高度な技術と研ぎ澄まされた美の感性を楽しみたいものです。
さて、カインドベアでは、このような美術品、芸術品、古美術、茶道具、和食器など、著名な工芸家が手掛けた高級な品々を喜んでお買取りしております。
使っていないけれど「超高級だ」と聞いたことがある、という食器や芸術品などがございましたら、一度お気軽にお持ちくださいませ。
江戸時代に出版された版画「鯰絵(なまずゑ)」より『馬神』という作品をお買取りいたしました。
人間のように着物を着たナマズと、馬神が描かれており、馬神の背後には民衆が群がり、ナマズを成敗するような馬上に加勢しているかのように見えます。
江戸期幕末の安政2年に江戸を襲った「安政の大地震」は歴史の授業でも教えられる大きな事件で、震度6クラスと想定される大地震は、火災も引き起こし、死者は1万人にも上ったとされています。
この「安政の大地震」後には、ナマズを描いた錦絵(浮世版画絵)が数多く出版され、現在は「鯰絵(なまずゑ)」と呼ばれています。
江戸を襲った未曾有の大災害により、壊滅的な状態となった街では、人々がなかなか日常を取り戻すことができずに混乱していました。その中で、それまで人気だった名所や役者、美人を描いた版画が売れるはずもなく、出版社は頭を抱えました。
そこで目をつけたのが「ナマズ」だったのです。地下深くに、鹿島大明神の「要石(かなめいし)」に押さえつけられた地震鯰がいる」という伝説から、地震により混乱した江戸を風刺した錦絵を企画しました。これが後に「鯰絵」となるわけですが、実はこの「鯰絵」は違法なものでした。当時の江戸では、錦絵は出版前に検閲を通さなければならず、絵師や版元を明記すること、巷の噂を取り上げない、など厳しいルールが敷かれていました。鯰絵は根拠のない噂話から着想を得たものですので、違法だったわけです。
しかし、出版社は違法を承知の上で、鯰絵の出版に踏み切ります。地震後の混乱に乗じ、検閲を通さずに素早く売ってしまおうと目論みました。そのため、鯰絵は版元や絵師の名を入れない匿名のものばかりなのです。
目論み通り、鯰江は大ヒットし、飛ぶように売れていったと記録されています。
地震鯰が鹿島大明神に叱責されて「もう地震は起こしません」と謝っているものや、江戸の人々が大勢で地震鯰を成敗しているもの、地震除けのまじない文字が書かれたものなど、さまざまざま鯰絵が作られました。
今回お買取りした『馬神』という作品に関しても、同じく絵師や版元は記されていません。
「安政の大地震」で生き延びた人々の間でにわかに噂になったのが「馬の毛の目撃情報」でした。なぜか馬の毛が着物のたもとに入っていたという噂が囁かれていたのです。その噂は、やがて「地震が起きた際に、伊勢の大神宮が江戸まで神馬を走らせ、信心深い人々を救った」というものにまで大きくなったと言われています。
それにより、鯰絵には、馬が多く描かれるようになりました。『馬神』も、この噂から着想を得て描かれたものかもしれません。
カインドベアでは、浮世絵や錦絵など、江戸期の美術品を積極的にお買取りしております。
ご自宅に歴史的価値の高い古美術品や工芸品がございましたら、ぜひお持ちください。
和太守卑良の杉文器をお買取りさせていただきました。共箱つきです。
和太守卑良は、1944年に兵庫県西宮市に生まれ、幼少の頃より美術や工芸に興味を持っていたと自伝で語っています。しかし、具体的に芸術で生計を立てようと考えていたわけではなく、高校生まで過ごしていた中、親知らずが痛み歯医者へ行ったことが、和太守卑良の転機となります。
歯医者と絵の話になったときに「君はひょっとしたらそっちの方に向いているかも」と言われたことで、絵や芸術、工芸の進路に興味を持ち、自身で調べて京都市立美術大学への入試資料を取り寄せました。受験要項に掲載されていた「美」を図案化した校章は彼の目を引き、さらに「陶磁器専攻」という未知の専攻が彼の興味を引きました。こんなところに誰が行くのだろう、という単純な好奇心で受験したところ、合格したことにより、和太守卑良は京都市立美術大学で陶芸の基礎について学ぶこととなりました。
在学中に、当時校長であった長崎太郎氏に勧められ、愛知県安芸の古釜の復興に従事した経験は、彼の作品に大きな影響を与えたと言われています。
卒業後には、陶芸家として精力的に活動し、独創的な製法やデザインで注目を集めました。特に彼を代表する、手捻りで形成する技法は独特な個性を放ち、名品と称されています。
今回お買取りした「杉文」も彼の技法のひとつで、繊細な技術が詰め込まれた、非常に価値の高いものです。
他にも、さまざまな種類の土を混ぜ合わせ、独特な表情や風合いを出す技法も和太守卑良を代表するものです。
彼の造形力と創造力は、高い評価を得て、天才・伝説、と呼ばれるようにまでなります。ファエンツァ国際陶芸展では金賞を受賞するなど、世界的にも高く評価される最高峰の陶芸家です。
和太守卑良の作品は、茶道具として使われることが多く、茶道の世界にも多くの影響を与えています。
カインドベアでは、日本が誇る名匠たちによる陶芸や工芸品のお買取りに力を入れております。茶道具や、酒器、食器、飾り皿など、幅広いアイテムを積極的にお買取りしていますので、ご自宅に眠っている価値の高い陶芸品、手工芸品、また美術作品などがございましたら、ぜひ一度査定に出しに当店へお持ちください。
常滑焼の煎茶器のセットをお買取りいたしました。
急須を得意と下土居中洲の作品で、南蛮手の泡瓶(急須)、湯冷、煎茶碗が五客のセットとなっています。非常にシンプルでありながら、飽きのこない普遍的な美しさを湛える伝統の煎茶器のセットです。
常滑焼は、愛知県常滑市を産地とする陶器、焼き物で、粘土そのものの持つ自然色を生かした素朴な作風が特徴です。
特に有名なものが「朱泥」という赤茶色の急須で、いわゆる「急須といったら」というあの形を最初に生み出したのが常滑焼だったと言われています。
非常に滑らかな仕上がりで、持った感じの肌触りや手に馴染むところが評価され、急須といえば常滑焼というイメージを作り上げました。
常滑焼は急須や食器以外にも煉瓦も有名で、関東大震災に襲われた東京で崩壊を免れた帝国ホテル旧本館の煉瓦は常滑で焼かれたものだったという話は常滑の職人たちの間では誇りとなっており、広く知られています。食器や小物だけでなく、建材としても非常に高い評価を得ており、東京駅の赤レンガも常滑焼が採用されました。
また、常滑は招き猫の産地としても有名で、その生産数は日本一です。
日本国内でも有名な信楽焼といえばタヌキというイメージがあるように、常滑焼といえば招き猫というところで、名を馳せる名窯には愛嬌のある動物たちの存在があるという点で共通するものがあるのかもしれませんね。
今回お買取りした煎茶器のセットは、泡瓶(ほうひん)と湯冷、そして湯呑(煎茶碗)が揃っており、湯呑は五客がセットとなっています。
泡瓶は「ほうひん」と読み、別の漢字で「宝瓶」と書かれることもあります。急須とよく似たもので、煎茶をここで淹れるのですが、急須との最大の違いは持ち手がないという点です。
本格的な煎茶を楽しめる道具一式で、日本の「わびさび」が感じられる、余計なものが削ぎ落された洗練美を感じられる逸品です。
ぜひ「使って」その美しさ、魅力を引き出したい、そんな茶器となっています。
カインドベアでは、伝統工芸品、名窯の陶器、そして人間国宝などが手掛けた美術品など、数多くの高級雑貨をお買取りしております。例えば、おばあさまがお茶をされていたけれど、今はもう誰も茶器などを使っておらず、持て余してしまっている、など、ご自宅に高価な茶器や食器、陶器などがあるという方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。
東山魁夷(ひがしやま かいい)の版画「冬華(とうか)」の複製画をお買取りしました。
作品名から分かる通り、季節は冬。雪化粧を施された葉の散った樹木をぼんやりとした月明かりが照らしているように見えるこの作品ですが、実はこの空に浮かぶものは月ではありません。背景が暗い色のためどうしても時間は夜を彷彿とさせられてしまいますが、空に浮かぶ丸いものは太陽で、濃い霧の中から鈍い光を放っている様が描かれています。樹木が白いのも雪が積もっているわけではなく、霧氷によるもので、この絵は冬の霧深い風景を切り取ったものと捉えられます。
一本の木、そして半円を描く太陽のうすぼんやりした光、この2つが対になるようにキャンバスに描かれており、冷たく静かな冬の情景がひしひしと伝わってくるような、そんな一枚です。しん、とした音の無い世界、肌がピリリと引きつるような寒さ、まるで見ているこちら側の吐く息まで白くなるような、そんなリアリティをもって楽しめるのが魅力です。
東山魁夷は、日本を代表する日本画家の一人で、代表作は「道」や「緑響く」などです。
淡い色彩と、線を強調しないタッチ、そしてシンプルな作画で絵に奥行とつながりをもたせることに長け、静かに空間を彩ります。
この「冬華」はリトグラフ、つまり版画で描かれているため、何枚も刷られていますが、今回お買取りした作品は複製画になります。東山の世界観をご自宅で味わい、お部屋の表情を少し変えるようなワンポイントとして飾れる、そんな素晴らしい作品です。
絵画は不思議なもので、部屋の壁や廊下の壁などにかけると、その空間が一変します。たった1枚の絵、フレーム内に収まった世界にそれほどの影響があるものかと驚かされますが、芸術とはそれほどまでに力が宿るものなのでしょう。
当店では、日本画はもちろん、世界各国の巨匠が手掛けた絵画、リトグラフ、彫刻などの美術作品をお買取り対象としております。リトグラフの複製版も買い取り可能ですので、もしご自宅に著名なアーティストが手掛けた作品があるものの扱いに困っているということがございましたら、ぜひ一度お持ちくださいませ。目利きの鑑定士がしっかりと査定させていただきます。
伝統的な盛岡南部鉄器の工房である薫山工房の、浅田薫山が造った桜地紋砂鉄瓶をお買取りしました。取り外し可能の鬼面鐶付提手がついています。
非常に芸術性の高い逸品で、桜の花の浮彫が全面に施されており、蓋のつまみは蕾の形としています。緻密に彫り込まれた桜は見事の一言に尽き、まるで着物の刺繍のような、そんな繊細かつ重厚な美しさを感じられます。
薫山工房は、南部鉄器、砂鉄製南部鉄瓶の老舗工房です。青森県の盛岡に工房を構え、初代浅田薫山から三代に渡り、昭和12年から脈々とその技術が受け継がれています。
南部鉄器は岩手県の伝統工芸ですが、そもそも「南部」とはどの地域を指す言葉なのでしょうか。
「南部せんべい」という銘菓がありますが、これがどの県のお土産かと問うと「岩手」と答える人と「青森」と答える人が出てきます。「南部」とは、江戸時代に南部氏がおさめていた、現在の青森県の東部と現在の岩手県の中部から北部にかけての地域を指す言葉です。
「東北なのに南部??」と不思議に思っていた方も、これでなぜ「南部」という名がついたか分かったはずです。南部とは、方角を表した言葉ではなく、おさめていた藩士の名前だったのです。
このような歴史的背景があり、青森県の一部、そして岩手県の一部を「南部」と呼ぶようになりました。南部鉄器も、岩手県だけでなく青森県でも生産されています。
南部鉄器は、その名の通り鉄製なので非常に丈夫です。陶器の急須や食器と比べてはるかに壊れにくく長持ちします。また、保温性に優れており、お茶やお湯、煮物などを温かいままキープできるのも特徴です。
さらに、鉄が水のカルキを吸着するため、とてもまろやかで優しい口当たりとなります。
そんな、実用性にも優れた南部鉄器ですが、今回お買取りした作品は「眺めて楽しむ・味わう」という点でも非常に優れています。
インテリアとしても存在感を発揮し、お部屋に重厚感ある凛とした美しさを添えてくれますし、もちろん使ってもその魅力を存分に発揮してくれます。
カインドベアでは、このような伝統工芸品を積極的にお買取りしております。南部鉄器はもちろん、他地域の陶器や食器、工芸品など、幅広く査定させていただきます。もし、ご自宅に眠っている「高級らしいけど全然使っていない」陶器や鉄器、食器などがございましたら、一度お気軽にお問い合わせください。
「大正の歌麿」と称された浮世絵の巨匠、橋口五葉が描いた6枚の美人画「女六題」のコンプリートセット(解説付き)をお買取りしました。
悠々洞出版が750部限定で出したものでシリアルナンバーがついており、本商品は366番です。タトウ箱付きで非常に状態が良く、コレクターにはたまらない素晴らしい代物となっています。
橋口五葉は明治・大正時代を代表する画家で、かの夏目漱石の「吾輩は猫である」の装幀を任されたことでも有名です。西洋画や油絵など、さまざまな画法や絵画について学ぶ中、彼が夢中になったのが版画であり、江戸時代から脈々と続く浮世絵に多大なる影響を受けました。美人画を得意とした橋口の代表作は「髪梳ける女」で、他にも数多くの美人画を残しています。彼の版画はアメリカから高い評価を得て、展覧会が開かれたほどでした。ヨーロッパで浮世絵が注目されたように、西洋の人々にとって浮世絵、版画には、どこかオリエンタルな魅力が感じられるのでしょうか。
そんな橋口が手掛けた美人画を6枚セットにした「女六題」が、山口桂三郎の解説つきで持ち込まれ、丁重に査定させていただきお買取りするに至りました。大変貴重なものであり、時を経てもなおその価値が下がるどころか上がり続けるような、そんな素晴らしい芸術作品です。
えてして芸術作品全般に共通し、時が経つほどにその価値が上がりゆく、ということがございます。希少価値が上がるということはもちろん、年月の経過による経年劣化や状態の変化などを加味し、保存状態が良いものに関しては更に価値、値段が上がっていくのです。
もしかしたら、あなたのご自宅に眠っている絵画や美術品などにも、とんでもない値がつくかもしれません。古いものだからといって邪険にせず、丁寧に保管し、機会があれば査定、あるいは鑑定してもらってみてください。カインドベアも、古美術品、時代を問わずアーティストの作品など、積極的にお買取りしております。「これって値段がつくのかな」「いくらくらいになるのかな」といった美術品などございましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。心よりお待ちしております。
有田焼の窯元「今泉今右衛門」は江戸時代から続く老舗で、現在は十四代が党首を務める歴史ある窯元です。
ひとつ前の十三代今泉今右衛門は人間国宝としての称号も持っており、その十三代が手掛けた錦桂絵の花瓶をお買い取りいたしました。
艶やかな白を基調とした花瓶で、美しいフォルムが上品です。
描かれた椿の花が目を引き、存在感を際立たせます。
高さが28cm、胴径が約20cmとおおぶりな花瓶なので、花瓶の絵柄の美しさと生花の美しさのバランスが丁度良く取れます。その場をパッと華やかに変貌させ、空間の雰囲気を上質なものにしてくれます。
和室向けかと思いきや、洋室にもよく馴染むのが嬉しいポイントで、フローリングのお部屋に飾っても違和感なく溶け込みます。少しオリエンタルな空気感が感じられるので、洋室の中にアジアや「和」のエッセンスを取り込みたいという方におすすめです。
今泉今右衛門は、江戸時代より「色鍋島」の伝統を受け継いでおり、特に赤絵の調合とその技術は、秘法として十四代まで伝えられています。
「色鍋島」とは、鍋島焼きの種類のひとつで、藍色の下絵をつけて本焼きした後に、赤、黄色、緑の3色で上絵をつけていく手法です。
今回お買い取りした花瓶は、椿の幹の部分が藍色、そして花が赤と黄色、葉が緑、とまさに色鍋島の真価を発揮したようなデザインとなっています。
色の組み合わせの特徴から、植物の図柄に適しており、今泉今右衛門では多くの植物柄の陶器が作られています。
陶器の種類についての知識も頭の片隅に入れておくと、陶器を見る時にまた違った角度から陶器の良さに気付けるかもしれませんね。
日本の伝統手工芸品である陶芸について、興味がわいた方は是非色々調べてみてください。
カインドベアでは、全国各地の様々な陶器、磁器、焼き物などを扱っています。
それぞれの作品に個性が溢れており、並べて見てみると美術館で作品を見ているような気分が味わえます。眺めてみるだけでも楽しめると思いますので、ぜひオンラインショップを覗いてみてください。
また、買い取りも積極的におこなっておりますので、何か古い陶器や磁器などがある方は、是非一度お持ちくださいませ。
今回は、老舗食器メーカーとして名高いウェッジウッドの陶板をお買取りしました。
食器のイメージが強いですが、ジャスパーの「6人の踊り子」というモチーフで作られた陶板が販売されていたのです。額縁に入っているため、そのまま壁に飾ることができます。大きさは幅が約26cmで少し小ぢんまりしているのですが、小さすぎずに存在感も主張してくれるため、お部屋や玄関、階段の踊り場など、様々な場所に設置できます。
ゴールドとブラックの高級感溢れる額縁の中に、落ち着いたオリーブ色をバックに白い陶器風のレリーフで踊り子たちが描かれています。
ゆったりとした衣装をまとい、たおやかに舞う姿は、さながらニンフや女神、ギリシャ神話に登場する乙女たちのようです。
ひとつの芸術作品として完成されており、食器メーカーが手掛けたものとは思えないクオリティと美しさでお部屋を華やかに、そして上品に彩ってくれます。
さて、ウェッジウッドは1759年にイギリスで創設された食器メーカーですが、創設からほどなくして1775年に「ジャスパーウェア」というストーンウェアを開発します。
ジャスパーウェアは、マットな質感が上品なレリーフ装飾で、まさにウェッジウッドの代名詞とも言えるほど人気を博しました。
創設者であるジョサイア・ウェッジウッド自身が何千回も実験を重ねて試行錯誤の上に生み出した特殊技術により編み出された、この美しいレリーフ装飾は、食器の域を超え、ひとつの芸術作品としても認められるようになりました。
「6人の踊り子(ダンシングアワー)」は、陶板だけでなく、カップ&ソーサーとしても販売されていました。
カップを取り囲むように踊り子たちの装飾が施され、とても優美な気分にさせられる逸品です。
この素晴らしい「6人の踊り子」を、いつでも目で見て楽しみたい、そんな思いを叶えてくれるのが今回お買取りした陶板です。
カップは使わなければ目に入りませんし、ウェッジウッドほどのハイブランドな食器になると普段使いというよりはお客様にお茶をお出しする際に使う一級品として普段は戸棚の奥底にしまわれていることが多いでしょう。
それでは勿体無いということで、陶板を飾ってみるのも一興ではないでしょうか。
当店では、ウェッジウッドなどの高級食器や、ハイブランドのインテリア、美術品などを幅広くお買取りしております。
ご自宅に何か眠っているものがございましたら、是非査定にお持ちくださいませ。
村瀬治兵衛の独楽茶器を買い取りました。共箱つきです。
独楽茶器は、独楽のような円形の模様をつけた茶器のことで、美しい漆の模様が目を引きます。
村瀬治兵衛は代々襲名制で、漆職人として漆器を作り続けている一族です。
もともとは江戸時代に木地師として生計を立てていた家に生をうけた初代治兵衛が、魯山人から漆塗りの技術を学んだことから漆器職人として名を馳せたことがはじまりと言われています。
現在、三代目の治兵衛が一族の伝統を受け継ぎ、軽くて使いやすく実用性に長けている漆器を作り続けています。
美しい漆と、手触りの良さには定評があり、高級食器として多くの専門家に注目されています。
独楽茶器は、シックで落ち着いた深い色の茶器で、シンプルながら飽きの来ないデザインとなっています。茶道を楽しむ方にとってはもちろん、手工芸品が好きで職人の技術を感じられる食器や茶器を集めているコレクターの方にとっても非常に価値があるものです。
日本の伝統工芸の技術が詰まった、至高の逸品です。インテリアとして飾っておいても、その存在感を発揮し、お部屋のコーディネートに色を添えてくれます。
このような職人技が感じられる工芸品の数々を、当店カインドベアでは積極的にお買取りしています。
人間国宝が手掛けた作品や、代々受け継がれる技術で作られた陶芸品、日本が誇る芸術家の絵画や彫刻などの芸術品の数々……
セカンドハンドの買取店というと、どうしても世界を席巻するハイブランドのファッションアイテムや、高級古酒などを扱っているイメージが強いですが、芸術作品や工芸品も喜んで買い取らせていただいているのです。
世界には素晴らしい芸術作品や、高品質なファッションアイテム、時計、革製品などがありますが、日本にだって同じくらい素晴らしい逸品がたくさんございます。
日本ならではの風情が感じられる芸術品や工芸品を探し求めている方がたくさんいらっしゃいます。そんな方々と出会うべき逸品が、皆さまのご自宅に眠っているかもしれません。
先祖代々受け継がれてきたけれど、処分しようか迷っている工芸品や、いただきものだけれど使わずにしまいこんでいる食器や茶器など、思わぬ価値がつくこともございますので、是非一度当店にお持ちくださいませ。心よりお待ちしております。
歌川広重の作品集をお買取りしました。
『稀版廣重名作撰』というもので、大江戸木版社が手掛けた手摺の版画で、浮世絵、花鳥図、名所絵、うちわ絵など、全24図が収録されています。一つひとつ解説が書かれているため、その作品の背景や見どころ、どのようにして描かれたのかなど、マメ知識を楽しみながら作品鑑賞を味わえる品です。
歌川広重といえば、言わずと知れた浮世絵の大家です。
代表作『東海道五十三次』は、日本画のことを知らない人でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
歌川は『東海道五十三次』だけでなく、実に多くの作品を世に残してきました。
特に「歌川ブルー」と称された青色の使い方は見事で、空の青、海の青など、鮮やかに描き出すことで生き生きとした情景が伝わってくるという魅力が感じられます。
『稀版廣重名作撰』に収録されている作品について、もう少し詳しく解説します。
浮世絵とは、江戸時代に確立された絵画ジャンルのひとつで、当時の風俗を反映した日常的なシーンを切り取った絵画が中心となっています。
特に歌舞伎と浮世絵は縁が深く、歌舞伎役者を描き出した浮世絵は、今でいうブロマイドのように歌舞伎役者ファンの民がこぞって買っていったというエピソードが残っています。
花鳥図は、鳥や花を中心に描いた絵画作品です。掛け軸のような長い紙に、広重は大きな鳥を描き出し、今にも動き出しそうな躍動感と生命力を溢れさせました。
名所絵は、まさに『東海道五十三次』のことを指します。その名の通り名所を描いた作品で、富士山や各地域の名所の風景画となっています。
うちわ絵も、その名の通り「うちわに描かれた絵や模様」を指しています。色鮮やかな模様が特徴で、持っているだけでアーティスティックな気分になれる代物です。
これら、さまざまな広重の作品が一冊にまとまり、解説までついてくるため、日本画ファン、広重ファンの方にとっては宝のような商品でございます。
さて、カインドベアでは、日本画はもちろん、世界中のアーティストのアート作品をお買取りしております。貴重な原画はもちろん、レプリカやリトグラフ(版画によるもの)も大歓迎ですので、是非お気軽にお持ちくださいませ。
南国沖縄の美しい風景画をお買取りしました。
新城征孝の「サバニ風景」という作品です。油彩でF3号のキャンバスに描かれたものです。
新城征孝は沖縄出身の画家で、那覇市に生まれ、沖縄の美しい海や船などの風景の中で育ち、その情景を絵に描きました。
「サバニ」とは、南西諸島の漁船の名称で小ぶりな手漕ぎの船という印象です。数人と荷物を乗せて海にこぎ出すことができ、魚を獲るのに使われていました。
もともとは木材で作られていましたが、現在はプラスチック製のものが一般的で、サバニレースという競技もおこなわれています。
帆を張れば遠海でも高速で進むことができる非常に機能的な船で、その姿も無駄の無い美しさが感じられて絵にしても様になっています。
新城の描く「サバニ風景」は、海に浮かぶサバニではなく、陸の芝生の上に並ぶサバニがフォーカスされています。
まるで夫婦のように並ぶ2槽のサバニは、静かな海を眺めながら何を思うのか、ついそんなことを考えてしまうような奥深い作品です。
手前側にはパイナップルがなっていて、南国らしさが感じられます。
空と海の青色も見事です。空は抜けるような青空に白い雲が漂い、海は水平線のあたりは鮮やかながら濃いブルー、そして海岸付近の海は南国ならではの美しいエメラルドグリーンに輝いています。
穏やかな海の表情と、青空、そしてパイナップルがなっている木と芝生から、そよ風が優しく頬を撫でているような、そんな静かな時の流れを感じられる作品です。
青と緑のコントラストが目を引く印象的な絵画ですので、シックなお部屋や廊下、玄関、階段の踊り場などに飾っておけばゲストたちの記憶に残ることでしょう。
無機質な空間が一気に華やぎ、生き生きと命を持ち始めるような、そんなパワーのある作品です。
自然の豊かさと恵み、人間の知恵、その融合をさりげなく描いてキャンバス内に閉じ込めた、希望溢れる一枚です。
カインドベアでは、日本人外国人を問わず、アーティストの作品を積極的にお買取りしております。有名画家の原画、レプリカ、版画作品など、誰もが知っているような人の作品でも構いませんし、今回のようにあまり有名ではないアーティストの作品も歓迎しております。
熟練のスタッフが丁寧に査定しお値段を出させていただきますので、ご自身が持っているアート作品が一体いくらになるのかという確認だけでも是非お持ちください。
フランスの現代画家、ジャン=ピエール・カシニョールのリトグラフ作品「赤い夏 まなざし」をお買取りしました。直筆のサイン入りです。
「赤い夏」というタイトルの言葉からも分かるように、赤が非常に印象的な作品です。
真っ赤な花が作品のほぼ半面を占め、その鮮やかさが目を引きます。奥の方には夏の豊かな緑が連なり、夏の中の涼し気な木々の装いが見て取れます。
とても明るい雰囲気の作品なので、晴れた夏をイメージさせ、強い太陽の日差しが照り付けていることが容易に想像できますが、緑がその暑さを緩和して爽やかさをプラスしています。
サマーガーデンの芝生には、一人の女性が椅子に腰かけている後ろ姿が描かれています。「まなざし」というタイトルの言葉は、この女性に向けられたものでしょうか。
白い服と麦わら帽子のようなハットが涼し気で、夏らしい出で立ちです。
後ろを向いているため、どのような顔立ちなのか、表情なのか、見る者が自由に想像できます。自分の記憶にある大切な人、憧れの人の姿を重ねて楽しむことができる作品です。
この作品を手掛けたジャン=ピエール・カシニョールは、1935年にフランスの首都パリで生まれました。パリでは有名なオートクチュール店に生を受けたカシニョールは、10代のころから美術の才能を認められて、画壇で活躍していました。
20代で兵役を経て、再び芸術界で活躍するようになり、1970年には東京で大規模な個展を開くことになって来日しました。これがきっかけで日本で名が知られるようになります。
カシニョールの絵の雰囲気は日本人に非常に好まれるもので、柔らかく優美な色彩と柔らかい線でエレガンスな空気感が伝わってくる女性像は日本人女性の心を掴みました。
日本で有名になってから、パリでも人気を博すようになり、国を超えて世界中で活躍するようになります。
1990年代にはロシア、ボリショイ・バレェ団の舞台装置と衣装を手掛けました。
そんなカシニョールの「赤い夏 まなざし」は洗練された美しい風景画で、白を基調としたシックな部屋とよくマッチします。
個人宅にも、オフィスにも、よく馴染んでお部屋のワンポイントとなってくれます。
カインドベアでは、このような現代画家のアート作品をお買取りしております。
名の知れたアーティストの作品であれば高値がつくこともありますので、良い作品をお持ちの方は、是非一度お見せくださいませ。
今回は、戦後を代表する彫刻家である舟越保武が製作したブロンズ製の少女の頭像をお買取りしました。
高さは20.5cmと比較的小ぶりで、オブジェとして飾っておくにはピッタリのサイズです。一般的な家であれば室内に飾っても良いですし、例えば公共施設の玄関、玄関ホール、会議室、応接室など、様々な場所に置くことでちょっとした美術館のような気分を味わえます。
ブロンズ像の台には「Y.FUNAKOSHI」という作者名がしっかりと刻まれているため、日本が誇る彫刻界の巨匠の作品だということが分かります。
落ち着いた深い色味の像ですが、どこか温もりを感じるような雰囲気で、少女の柔和な表情がとても美しいです。
優しい眼差しに、少しだけ上を向いた口角が、穏やかに微笑んでいるような表情を作り出しています。何か愛すべきものを見つめているような、そんな温かい表情です。
髪のサラサラとした質感も見事に表現されていて、上品で可憐な少女のイメージを抱かせる作品です。
作者である舟越保武は、1912年に岩手県の一戸で生まれました。
父親がカトリックのクリスチャンだったことで、彼自身も洗礼を受けています。
そのため、キリスト教に関連する作品を多く残しています。
長崎で1962年に製作された「二十六聖人殉教者像」はとても有名で、キリシタン禁止令が出された豊臣秀吉の時代に処刑された26人の殉教者をモチーフに作られたものです。
この殉教者たちは等身大で作られており、モニュメントそのものは高さ5.6m、幅17mにも及ぶ大きなものです。その迫力から長崎の観光名所のひとつとなっており、多くの観光客が写真を撮っています。
この作品により、舟越保武は高村光太郎賞を受賞してその名を世間に轟かせました。
このように素晴らしい作品の数々を残してきた舟越保武は、もともとはロダンの言葉に感銘を受けて彫刻家を目指すようになったと言われています。
彼の息子である舟越桂も、父と同じく彫刻家として活躍しています。
岩手には舟越保武の美術館があるのですが、今回お買取りしたブロンズ像を飾れば、その美術館の気分を味わえそうですね。
カインドベアでは、このような美術品、特に日本人作家の芸術品を積極的に買い取っています。熟練のスタッフが丁寧に査定をおこないますので、もしご自宅に飾っていない芸術品や美術品がありましたら、是非お持ちください。
今回お買取りしたのは、パブロ・ピカソのリトグラフ「人間喜劇」よりVです。
パブロ・ピカソといえば「ゲルニカ」や「泣く女」などで有名なスペインの画家です。彼の絵の特徴は「キュビスム」で、様々な角度から立体を見たものを多角的に平面に落とし込むという一風変わった手法です。ただ、ピカソが最初からキュビスムの絵ばかり描いていたわけではなかったというのは有名な話で、彼は様々な画法とタッチでテイストの異なる絵を多数描いてきました。ピカソの画風の変遷は「〇〇の時代」と呼ばれるほど、年代によって異なります。一見すると同じ人物が描いたとは思えないような、そんな作風で見る者を混乱させることもしばしばです。
「人間喜劇」はフランスの雑誌「ヴェルヴ(Verve)」が1954年に発行した挿絵本で、ここにはピカソが1953年11月28日から1954年2月3日の、たった9週間のうちに描いた180点のデッサンを版画におこしたものが収録されています。
その「人間喜劇」の中の5番目の作品が、今回お買取りしたものです。
カラフルな線画で、男性と女性、そして馬などが描かれています。「人間喜劇」という本のタイトルから想像できるように、どこかコミカルで、なにか風刺めいたような、そんな雰囲気の作品です。
リトグラフとは石板を用いた版画のことです。
ピカソは画家として有名ですが、版画家としても活躍しており、生涯で2,000点以上の版画を制作しました。
そんなピカソのリトグラフ「人間喜劇」のVは、独特な個性が感じられ、モダンな雰囲気でとても洒落た印象を受ける作品です。
シンプルな洋室に1枚飾っておくだけで、一気にお洒落な空間に変わります。玄関や廊下、階段の踊り場などに飾っておいても、なにか美術館を歩いているような、そんな気分にさせてくれます。客間や会議室、応接室にもピッタリです。
カインドベアでは、今回お買取りした作品のような、有名画家が手掛けた作品を積極的に買い取っています。
特にリトグラフなどの版画作品は出回っている作品数が多く、お値段も比較的お手頃なので、資産家や美術品コレクターの方でなくてもお持ちの方は少なくないでしょう。例えば祖父母が昔購入したり譲り受けたりしたものが家にずっと置いてあるという方は、一度査定してみてはいかがでしょうか。
とても豪華な宝船の床飾りをお買い取りいたしました。
武比古(たけひこ:TAKEHIKO)の金属美術工芸品で、高さ14cm×横幅12cm×奥行5cmほどの小さなサイズ感ですが、銀を中心とした貴金属の美しい工芸が目を引くためとても存在感のある逸品です。
床飾りですが、棚に飾ったり、床の間に置いたり、玄関先などに置いておけば、その場の空気をパッと華やいだものにしてくれます。
武比古は、三代目まで続いている金属工芸職人で、豪華な中にも繊細さが感じられる素晴らしい作品を数多く世に送り出しています。
初代の関武比古は、打物の名匠、田島勝之師のもとで銀細工の修業を積み、更に香坂宗廣師について技法を学び、独立して次々に作品を制作していきました。
職人としての「手」だけでなく、新しい技術を積極的にとり入れて、ヨット、宝船、帆前船、御所車、兜、扇、鶴、打出の古鎚、五重塔、幌馬車、騎士などの金銀製置物や額を多く作り出してきました。
その煌びやかさと豪華さ、そして繊細さは多くの人の心を掴み、贈答品や記念品として武比古の工芸品が選ばれることもあります。
今回お買い取りした宝船は、小ぶりながらも非常に精巧に造られており、帆船の中に米俵や小判などの宝がどっさり詰め込まれているのがめでたさを演出しています。
宝船は縁起物でもありますから、気運を高めるために家に置いておくというのも良いでしょう。
銀製品ですので通常の置物とは違い流行などに関わらずきちんとお値段がつく商品です。
カインドベアでは、このような伝統工芸品を数多く取り揃えております。
ご自宅に、使わなくなった、飾らなくなった銀製品をぜひ探してみてください。
また、当店では古美術品や伝統手工芸品の買取も積極的におこなっております。
店頭までお持ちいただければ、熟練のスタッフがしっかりと査定をしてお買い取りいたします。
ご自宅に眠っている古美術品や伝統手工芸品、アンティーク雑貨などがございましたら、是非お持ちくださいませ。
人間国宝、中島宏が手掛けた青磁の小皿が5客セットになったものをお買い取りいたしました。
中島宏は佐賀県武雄市の陶芸家で、青色を出すことが極めて困難と言われていた青磁において美しく幻想的な青色を出すことに成功した天才と称されています。
その青は「中島ブルー」や「中島青磁」と呼ばれるほどに確立しており、どこかターコイズブルーを彷彿とさせるような深く穏やかで品のある魅力的な色合いが特徴です。
中島宏は陶芸家の父を持ち、子どものころから陶芸に親しんできました。
父の手伝いをしながら陶芸の技術を身に着けて、28歳という若さで弓野の古窯跡に半地上式穴窯を築窯して独立しました。宋の時代の中国の青磁について研鑽を積み、その技法を体得した上に、美しい青色を出すために試行錯誤を重ねて、ついに幻想的な「中島ブルー」を引き出すことに成功します。
ここに至るまでにも様々な賞を受賞し、2007年には人間国宝に認定されます。
人間国宝として認定されてからも精力的に陶芸界を盛り上げてきましたが、2018年に心筋梗塞で逝去しました。
故人となった人間国宝の遺作には非常に高い価値がつきます。
その希少性と、もう二度と新しい作品が世に出ないということから、高値がつけられます。
特に中島宏が手掛けた青磁の青色は、「中島ブルー」という名称がつけられるほど、彼にしか出すことのできない最高の色合いであるため、なおのこと価値が高くなっています。
美しい青色の青磁小皿は、繊細な和食にピッタリとマッチします。
食卓を彩るのは料理だけではありません。食器も非常に重要なアイテムなのです。
食事は味覚だけでなく、視覚、聴覚、嗅覚、触覚と五感の全てを使って楽しむものです。
食器は視覚を楽しませるために無くてはならない立役者であり、美しい食器に盛られた料理は一層美味しそうに見えます。
是非、世界最高峰の青磁陶芸家が手掛けた美しい青磁の小皿を食卓に並べてみてはいかがでしょうか。
カインドベアでは、人間国宝が手掛けた陶器や磁器、有名陶芸家の作品などを積極的にお買い取りしております。何かとっておきの逸品がございましたら、是非お持ちください。