日本の洋食器メーカーである大倉陶園(オークラ)は、1919年の創業から100年以上の歴史を持ち、日本国内における最高品質の洋食器を数多く世に送り出しています。
創業者である大倉孫兵衛と、その息子和親は、欧米の洋食器に負けない日本製の洋食器を作ることを念願としており、ヨーロッパ各国の製陶工場を視察し、その技術を学びました。
そして「良きが上にも良きものを」という理念を掲げて、常に「より良いもの」を目指して新しい作品を次々に産み出し続けてきました。
オークラで作られる白磁は「オークラのホワイト」と呼ばれるほど美しく、その白さは多くの人を魅了してきました。最高級のカオリン(陶磁器の原料)を贅沢に使用して、1460度という高温で本焼きをすることにより、最高に美しい白磁が出来上がります。
「オークラのホワイト」以外にも、大倉陶園が独自にあみだした技法は数知れず、そのうちのひとつに「岡染め」というものがあります。
「岡染め」は、オークラの中でも人気の高い「ブルーローズ」シリーズに用いられている技法で、美しい藍色の絵柄がまるで水彩画のように白磁に溶け込み馴染んで見えるのが特徴です。
これは「炎の芸術が創り出す神秘の色彩」と言われており、本焼成した白生地にコバルト絵具で絵付けをしてから、さらに1460度の高温で焼成するという技法によるものです。こうすることにより、高温で溶けた絵具が釉薬を融合して、絶妙な加減で淡く柔らかい「ブルーローズ」の絵柄となります。
今回ご紹介するオークラのカップ&ソーサーとプレートのセットは、この「岡染め」によって絵付けされたもので、2000年のクリスマスに発売された「羊の親子」の絵柄のものになります。
オークラにしか作れない、独自の技法「岡染め」で描かれた羊の親子は非常に美しく、まるで絵画作品を眺めているような気分にさせられます。
羊の親子が夜空を見上げている様子が描かれており、空には流れ星がスーッと流れています。岡染めの技法は「ブルーローズ」シリーズに使われており、青く幻想的な薔薇の絵が印象的ですが、この深くも淡い藍色は、まさに「夜空」を表現するのに最適とも言えるでしょう。夜空の優しいグラデーションが、クリスマスの温かさを感じさせる逸品です。
ディズニーファンの方にはたまらない、貴重なオリジナルセル画をお買い取りいたしました。
大人気ディズニーキャラクターのチップ&デールのセル画で、2匹の愛くるしい表情に思わず笑顔になってしまうような1枚です。
チップ&デールは、ミッキーアンドフレンズのキャラクターで、シマリスの男の子です。
英語だと互いに「brother(兄弟)」と呼んでいるため、兄弟か双子だと思われがちですが、実は兄弟でも双子でもなく、親友です。
そっくりな見た目で、しばしば見分け方がクイズに出されることもありますが、外見はよく似ていても、血のつながりは無いということです。親友同士、顔も似てくるのでしょうか。
ちなみに、有名な話ですが、2匹の見分け方は、チップは鼻が黒くデールは鼻が赤い、チップは歯が1本でデールは2本、というのが代表的です。
細かいところで言うと、チップの方が肌(毛)の色が濃い茶色で、デールの方が薄い茶色、チップの方が目がキリッとしていてデールが少したれ目、チップの方が声が高くデールは低い、チップの方が鼻が小さくデールは大きめ、と実はいくるも違う点があります。
似ているようで違うのは見た目だけではなく性格もです。
2匹ともイタズラ好きで、しょっちゅうドナルドや他のフレンズを怒らせたり困らせたりしていますが、チップの方が知恵が働きせっかちで、デールは少しおとぼけでおっとりしています。
見た目だけでなく、性格まできっちりと個性を出すのは、流石ディズニーというところですね。
チップとデールの名前の由来は、トーマス・チッペンデールという家具職人から取ったと言われています。
本名はあまり知られていませんが、チップ・マンカーソリーと、デール・アンデルセンです。
ファミリーネームが異なることからも、2匹が兄弟ではないことが分かります。
いつも愉快なイタズラと可愛らしい動きで私たちに笑顔を届けてくれるチップ&デールのセル画を飾って、毎日ハッピーになってみてはいかがでしょうか。
カインドベアでは、本商品のようにディズニーをはじめとするアニメーションや映画などのプレミアグッズなどもお買い取りをしております。
他にも有名画家の絵画や、著名な陶芸家の作品などの古美術品も多くお買い取りしております。
ご自宅に持て余している美術作品などございましたら、ぜひお持ちくださいませ。
絵画には実に不思議な魅力とパワーがあります。
1枚壁に飾るだけで、その空間が華やいだり、温かい雰囲気になったり、輝いたり、空恐ろしい雰囲気に包まれたり…様々に表情を変えます。まるで空間を支配するかのような力が、確かに絵画にはあるのです。
また、不思議と「ずっと見ていられる」絵画というものもあります。
人が人生で目にする絵画の数は、おそらく数えきれないほどの量ですが、その中でも数点、目が離せなくなるほど魅力を感じる絵というものがあります。
そんな絵に出会ったことの無い方は、是非探してみてください。
さて、少し前置きが長くなりましたが、今回は素敵な絵画のご紹介です。
トレンツ・リャドという画家の作品「ジヴェルニーの若枝」です。
トレンツ・リャドはスペインの画家で、名だたる巨匠たちと比べると知名度はそれほど高くありませんが、なんと「ベラスケスの再来」と評された天才画家で、伝統的な画法と現代的な画法を見事に両立させたことで有名です。
とても高い技術を持っており、完璧なデッサンや写実的な絵を描く一方で、モダニズムを取り入れて印象派のような絵も描ける、マルチな才能を持っていました。「現代の印象派」と言われたこともあったトレンツ・リャドは、印象派を代表する画家たちが多く住んでいたフランスのジヴェルニーを訪れ、そこで印象派の巨匠クロード・モネの家を描きました。
そのジヴェルニーで描かれた作品のひとつが「ジヴェルニーの若枝」であり、まさに印象派のような色彩豊かで直接感性に訴えかけるような画風の絵なのです。
青、赤、黄色、そして緑の4色がそれぞれ際立って描かれており、印象派のようでありながら、抽象画のようでもあり、見る人によって受ける印象や抱く感想が異なる、そんな無限の可能性を秘めた作品です。
鮮やかな色合いが特徴的なので、白などの明るい色の壁にも、濃紺やこげ茶のような暗い色の壁にもよく合います。
シルクスクリーンとは版画の一種で、こちらの作品はリャドの遺族のサイン入りの非常に貴重なものです。
美しい絵画で普段の生活をランクアップさせるのも良いですし、オフィスなどに飾って社員の気分を高めたり、来客の話のタネなどに活用したりするのも良いでしょう。
カインドベアでは他にも多くの美術品を取り扱ってございます。ご興味ある方は是非一度おいでくださいませ。
沖縄には「やちむん」という陶器があります。「やちむん」は「焼き物(やきもん→やちもん→やちむん)」の沖縄弁ですが、沖縄の土を使って作られる味のある焼き物です。
陶器、磁器などの「焼き物」は、有田焼や伊万里焼、信楽焼など、本州にその名家があるように思われがちですが、沖縄にも人間国宝の称号を得た職人がいます。
それが、金城次郎です。
大正元年に沖縄で生まれた金城は、国の重要無形文化財である沖縄陶器の技能保持者で、沖縄県初の人間国宝となりました。
彼はもともと壺屋に生まれ、13歳にして陶工としての腕を磨くために新垣栄徳に師事し、めきめきとその才能を開花させていきます。生まれながらにしての陶工と言っても過言ではない金城は、日常的な暮らしの中に美しいものを取り入れるという「用の美」を追求し、飾るための陶器ではなく、使うための陶器を中心に制作活動を展開していきました。
金城が好んだのは魚をモチーフとして描いた陶器です。
沖縄の美しい海に慣れ親しんで育ってきた金城にとって、海は心のよりどころであり、魚は心を解き放ち故郷の温かさを感じられる象徴として金城のデザインの中でのびやかに泳いでいるのでした。
今回お買い取りした魚文カラカラは、そんな金城の個性が実によく表れた作品です。
「カラカラ」とは沖縄や鹿児島の言葉で徳利を意味しています。
ただ、一般的な徳利とは少し形状が異なり、平べったいような形をしているのが特徴です。
徳利というと日本酒(清酒)を注ぐためのものですが、カラカラは泡盛を注ぐために使われています。
そんなカラカラと猪口がセットになった本品は晩酌に最適です。
ご自身用に、お酒好きのご家族やご友人に、特別なひと時をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
カラカラには金城の代表とも言える魚の絵が描かれており、泡盛を注いでクイッとあおれば、沖縄を旅しているような気分が味わえます。
もちろん、泡盛でなく日本酒を注いでも、乙な風情を感じられます。
カインドベアでは有名な陶工が手掛けた陶器を多数取り扱っております。
お好みの逸品を見つけてみてはいかがでしょうか。
また、お買い取りにも力を入れております。代々受け継がれている陶器や、いただきものの陶器などで、使っていないものがございましたら、ぜひお持ちくださいませ。
人間国宝、加藤卓男氏は、代々続く陶芸家の一族に生まれました。
古代ペルシア陶器の独創的な造形や斬新な色合いに魅力を感じて、西アジアで長年に渡り発掘研究に従事し、滅び去った幻の名陶「ラスター彩」の復元を成功させました。
その後も、青釉、三彩、ペルシア色絵など、シルクロードの異民族の文化と日本の文化を融合させ、斬新な陶芸活動を進めました。
そんな加藤卓男氏は、宮内庁正倉院から正倉院三彩の復元制作を委嘱されます。正倉院といえば、そう、シルクロードです。シルクロードを渡り、海を越え日本へやってきた数々の伝来品が保管されていた正倉院の三彩の復元に、加藤氏は9年もの歳月を費やし研究し、ついに復元に成功します。そして、その功績から平成7年に重要無形文化財保持者、つまり人間国宝に認定されました。
「ラスター彩陶」や「三彩の道」、「やきもののシルクロード」や「ラスター彩遊記・砂漠が誘う」など、数多くの著書も残しており、シルクロードと日本の陶芸の架け橋となった人物でもあります。
そんな加藤卓男氏が復元した正倉院の三彩を用いた渦巻文の花瓶は、鮮やかな緑と黄色が目を引き、花瓶というよりも、それだけで芸術品として完成しているような堂々たる出で立ちです。
もちろん、花を入れても美しく、花の魅力を決してそこなわないように作られています。
シンプルな曲線美と華美にならない装飾、そしてまるで茎や葉を連想させるような緑と黄色の色合いは、どんな花を入れてもその花の美しさを際立たせ、豪華に魅せるような役を果たします。
花が無ければ無いで、花瓶だけで十分魅力的な陶器であり、床の間や玄関口などに置いておけば、思わず見入ってしまうような骨董品です。
「渦巻文」という名の通り、渦巻き状の模様が入っており、これが五月蠅くないのに個性的という絶妙なバランスで見る者の目を楽しませてくれます。
和室との相性はもちろん良いですが、洋室に置いておいても全く違和感なく馴染みます。
インパクトがありながら、邪魔な印象を与えずにどんな部屋にもスッと馴染む不思議な花瓶を、ぜひお部屋においてみてはいかがでしょうか。
おもてなしの席にもピッタリで、この花瓶を置くだけで味気ない部屋も一気に個性と華やかさが演出できます。
季節の花を活ければ、ますます楽しみが増える、そんな魅力的な花瓶です。
茶道には様々な道具が使われます。そして、その道具は作法に則って正しく使われなければなりません。茶室には、茶道で使われる道具を置くための棚、茶棚が置かれます。
炉用の茶棚、紹鴎棚(じょうおうだな)は「紹鴎袋棚」とも呼ばれており、天板の下に扉付きの地袋があるシンプルな造りとなっています。
天板には硯箱や一輪挿し、それから香炉などを飾り客人たちを魅せます。
扉付きの地袋の右側には水指を、そして左側には点前後の柄杓と蓋を置きます。
伝統を重んじる茶道においては、骨董品である古い茶棚は大変貴重なもので、ぜひ茶室に置きたいと考える茶道家や茶道愛好家の方は多いです。
本格的な茶室に相応しい素晴らしい茶棚で、茶道の神髄である「わびさび」や「余白の美」を決して邪魔することなく引き立ててくれます。
この「わびさび」の文化は日本特有のものです。
西欧では昔から派手で豪華な装飾や調度品が良いものとされてきました。対して、日本では華美になりすぎず、余白の美を楽しむのが上流階級のたしなみでした。
今回お持ちいただいた紹鴎棚にも、派手な装飾や彫刻は一切なく、非常にシンプルな装いです。このシンプルさこそが、余計なものを排除した質素な茶室によく合い、部屋の調和を乱さずに空間に馴染みます。
茶道、華道、書道、など、日本には古くから伝統を重んじる芸術の文化が脈々と受け継がれてきました。現代の日本人にはあまり馴染みはありませんが、昨今外国人観光客が急増する日本では、改めてこれらの伝統芸術が注目されています。
これらの伝統芸術は外国人にも大変人気で、観光地には茶室が設けられ、茶道体験ができる施設が多数あります。
外国人観光客に、日本の伝統を正しく知ってもらうためにも、これらの茶室には簡易的な備品ではなく、由緒正しい一級品を揃えるのが良いでしょう。
茶道の道具はもちろん、その道具を置く棚も良いものである必要があります。
そこでおすすめしたいのが、この紹鴎棚です。
茶室によく馴染む紹鴎棚は、茶道の素晴らしさをより一層感じられる空間を演出してくれることでしょう。
カインドベアでは、このように茶道で使うような道具や、茶棚なども積極的に買い取りをおこなっています。
古いものであっても、高い価値がつくものが多いため、ご自宅に古い茶道具などが眠っているという方は、是非一度当店にお持ちください。
片岡球子は「落選の神様」と呼ばれていた、遅咲きの女流日本画家です。
球子が画家を志望することに反対した両親から勘当され、その上、日本美術展覧会(旧「帝展」)に何度も落選し、長きに渡り不遇の時代を過ごしました。
球子の作風は、型破りな構造と大胆な色使いが特徴で、その構造は遠近法などを無視した写実的ではないもので、ピカソのキュビズムとまではいかないものの、球子が着目した被写体に焦点が当てられ強調された構造が印象的です。
それは、言うなれば子どもの絵のようなもので、球子の絵を知らない人が見れば小学校の低学年ぐらいの子どもが描いた絵だと思うかもしれません。
色使いも、繊細とは言い難い大胆なもので、原色をふんだんに用いて、ベタ塗りのように塗っているため、濃淡がそれほど無いのが特徴です。
この色使いも、まさに子どもの絵そのもののようで、構造、色使い、そろって10歳に満たない子どもが描いたような印象を受けます。
この画風はずっと日本美術界で受け入れられず「ゲテモノ」とまで酷評されることがありました。しかし、小林古径は「あなたの絵はゲテモノに違いないが、ゲテモノと本物は紙一重だ。あなたの絵を絶対に変えてはならない」と励まし、球子はその言葉と自分自身を信じて独特な画風を貫きました。
球子はたくさんの作品を残しましたが、代表作のひとつに「富士山」シリーズがあります。
富士山シリーズは高く評価されており、青い富士山の絵も多数ありますが、印象的なのは赤い富士山を描いたものです。
赤富士は浮世絵などでもよく取り上げられるモチーフですが、球子の赤富士は真っ赤に塗られた富士山と、鮮やかな青空のコントラストが目を引きます。
今回お持ち込みいただいた作品はリトグラフの赤富士です。
リトグラフとは、版画のひとつで、木を彫って刷る木版画とは異なり、石板や金属板に油性インクを引きつける部分と油性インクを弾く部分を科学的に処理して造り出し、印刷するタイプのものです。
雪を被った真っ赤な富士山が里を見守るようにそびえ立ち、白い雲が漂う青空がのどかで平和な山里の様子を感じさせます。
ふもとには大きな湖が広がり、森や、小さな集落も描かれています。
清々しい印象の作品で、殺風景な部屋も一気に華やかにしてくれるような存在感を放っています。
カインドベアでは絵画作品も多く取り扱っております。
ぜひご相談ください。
今回は、人間国宝の職人さんが手掛けた素晴らしいコーヒーカップとソーサーのセットをお買い取りいたしました。
江戸時代から現代まで脈々と引き継がれてきた有田焼陶芸家一族の当主、酒井田柿右衛門の13代目が手掛けた柿右衛門窯のコーヒーカップとソーサーで、6つのセットが揃った非常に良い状態でお買い取りさせていただきました。
13代目の酒井田柿右衛門は人間国宝に認定されており、骨董品としても美術品としても、非常に価値の高い作品です。
酒井田柿右衛門様式の特徴のひとつに、花鳥図などの絵柄を乳白色の陶器にたっぷりと余白をとって描く、いわゆる「余白の美」を生かした様式があります。この様式に用いられる乳白色の白磁の事を「濁手(にごしで)」と言い、佐賀の方言で「米の研ぎ汁」を意味しており、一般的な白磁が少し青みがかっているのに対し温かさを感じさせる乳白色なのが特徴です。この濁手は18世紀に一度途絶えてしまったのですが、13代の酒井田柿右衛門の手により復活しました。このような功績により人間国宝に認定された13代目が有田焼の伝統と文化、そして発信にいかに貢献したかという事が分かります。
今回お買い取りのコーヒーカップとソーサーは、柿右衛門様式の「余白の美」を感じさせるようなデザインで、白いカップとソーサーに絶妙なバランスで描かれた柿の絵が、陶器そのものの美しさを邪魔せずに彩を添えています。
落ち着いた藍色の枝葉と、少し暗めの濃い朱色で描かれた柿が、大人の落ち着きを演出しています。
柿といえば秋口を彷彿とさせます。少し肌寒くなってきて秋の風が衣替えを思い起こさせるようになり、徐々に陽が短くなり夜のとばりがおりるのが早くなってきたと感じる頃、湯気がゆらめくホットコーヒーを片手に本のひとつも読みたくなるものです。
涼し気なグラスに氷の音を聞きながら飲む夏のアイスコーヒーから、コーヒーカップに丁寧に煎れたホットコーヒーに変わる秋という季節に、このカップとソーサーの組み合わせは最適なのではないでしょうか。
6つセットなので、お客様がいらした時にも使う事ができますし、カップの作者である酒井田柿右衛門を話題のひとつに持ち出しても良いでしょう。
カインドベアでは、今回お買い取りの商品のような骨董品や高級食器、茶器などの買い取りも積極的におこなっております。
時が経つほどに価値が上がるものも沢山ございますので、もしも「これは」というものがあれば、ぜひ当店までお持ちください。
今回は、美術品をお買い取りいたしました。とても価値のある木版画で、小倉遊亀作の「草と古九谷」を伊丹忠敬が彫り、刷ったものです。
木版画なので、量産されているものですが、今出回っているものは非常に少なく、とても希少価値のある作品です。
古九谷とは、木版画の中の陶器の事を指していますが、九谷焼のひとつで、この古九谷は青、緑、黄色などの濃色をふんだんに使った華麗な陶器という特徴があります。
しかし、「草と古九谷」に描かれている古九谷は赤が印象的ですが、これは古九谷の中の「祥瑞手(しょんずいで)」という様式で、赤の輪郭線を用いて赤、黄色、緑などの明るめな色で文様を書いたものです。「草と古九谷」の陶器は、この「祥瑞手」なのでしょう。
版画全体のイメージとして、赤を基調にした背景、そして古九谷の横に添えられた草の緑色のコントラストが、古九谷の絵柄と絶妙にマッチして、まるで古九谷の陶器の世界観をそのまま表現したような木版画となっています。
実に味のある作品で、歴史的な価値も、希少価値も非常に高く、コレクターや美術品愛好家たちがこぞって手に入れようと望む逸品です。
このような美術品がひとつ家にあるだけで、家もしくは飾ってある部屋の雰囲気がガラリと変わります。
私が高いお金を払って名作と呼ばれる美術品を家に飾るという事の価値が分かるようになったのは、気に入った作品と何度か出会うことができた幸運に巡りあうことができたからです。
美術、芸術とは本当に不思議な魅力をはらんでいるもので、ひとたび見る者の心の琴線に触れると、その者を魅了して心を虜にしてしまいます。そうなると、虜となった者は、その美術品、芸術品をいつまでも眺め続けていられるほど作品に心奪われるようになります。
そして、いつしか出会った作品を常に近くに置いておきたい、いつでも見られるように傍に置いておきたいと思うようになるのです。
これが、自分にとって本当に価値ある美術、芸術品を高い対価を支払ってでも自分の家や部屋に置きたくなる気持ちなんだと、そう気づかせてくれたのは、まさに私の心を奪った数々の名作たちとの出会いがあったからこそです。
こういった仕事をしていると巨匠と呼ばれる各分野の名手が手掛けた数々の作品を見る機会に恵まれますが、やはりいくつかの作品が私の心を奪っていきました。
カインドベアは、売り手のお客様と買い手のお客様の間を、素晴らしい作品でつなぐ架け橋のような役割を担っています。是非あなたにとっての素晴らしい逸品を探しにいらしてください。
人間国宝の井上萬二さんご本人が作った青白磁の骨董品をお買い取りいたしましたので、井上さんと作品についてご紹介いたします。
今回買い取りの作品は、白磁牡丹彫文の菓子鉢で、共箱と共布と栞がついています。井上萬二さんご本人が作ったという証明にもなる栞がついているので、人間国宝が手掛けた作品だという事が一目瞭然です。
井上萬二さんは、佐賀県有田町出身の陶芸家です。
有田町といえば有田焼で有名な陶器の町ですが、井上さんはまだ十代の頃から酒井田柿右衛門や奥川忠右衛門といった巨匠に師事し、白磁制作の技術を学びました。
その後、井上さんはペンシルベニア州立大学に有田焼の講師として招致されて渡米したり、ドイツで個展を開いたりして、世界を股にかけて有田焼の魅力を発信し続けてきました。
1995年に人間国宝に認定され、重要無形文化財「白磁」保持者となります。
そんな井上さんは白磁のことを「形そのものが文様」だと言い、一切の加飾に頼らずに白磁そのものの持つ造形美を体現しようと日々研究と鍛錬に余念がありません。
やわらかで滑らかな造形だけで、凛とした美しさや端正さ、そして曲線美が奏でる温かさを表現するという事を目指す井上さんの目標は高く、平凡な形こそ難しい白磁の世界で技術を磨き続け、そして白磁の魅力を発信し続けています。
今回お買い取りの菓子鉢は、まさに井上さんの白磁への想いや信念が込められた作品と言えるもので、真っ白で他に色の無い菓子鉢の底の部分には牡丹の文様が浮き彫りのように刻まれており、光の当たり方で美しい牡丹の姿が浮かび上がってくるようなデザインとなっています。
牡丹の文様も美しいのですが、なんといっても菓子鉢そのもののフォルムがとても美しいのが特徴のひとつでもあり、鉢の縁部分の曲線がとても繊細でなめらかに作られています。
なめらかさと、そしてたおやかさ、艶やかさなど、この白磁の魅力を表す言葉はいくらでも思い浮かびます。
普段はインテリアとして飾っておくだけでも美しさを演出できて、家の中に特別な空間を作り出す事ができます。そしてお客様がいらした時などには、実際に菓子鉢としてちょっと良いお菓子を入れてお出しすれば「素敵な器ですね」というところから会話が広がっていくことでしょう。
人間国宝、井上萬二さん自ら手掛けた白磁の素晴らしさを感じられる毎日に幸せを感じてみてはいかがでしょうか。
素晴らしい花瓶をお買い取りさせていただきましたので、早速ご紹介させてください!
日本屈指の伝統工芸「有田焼」の陶磁器メーカー深川製磁の時代物の花瓶です。
深川製磁は佐賀県有田町の陶磁器メーカーで、あのパリ万博にも出品した事がある歴史を持ち、現代まで脈々と有田焼の伝統を受け継いできています。
まさに一級品を世に産み出し続けている陶磁器メーカーですが、今回お買い取りした深川製磁の花瓶は、思わず息を呑むほど美しい逸品でした。細密に描かれた花々の絵柄が見事で、骨董品というよりも、工芸品というよりも、もはや美術品、芸術作品という印象を強く受けました。
瓶には梅、菊、芍薬の花が緻密に描かれています。これらのバランスが非常に美しく、また、色合いも絶妙で、藍色の葉と色とりどりの花が生き生きと描かれているのは、本当にひとつの芸術作品のようです。
それではここで、深川製磁のちょっとしたウンチク話を。
実はこの深川製磁、古くから宮内庁に製品を献上してきていたのですが、宮内庁の御用達であるという事を商売に利用する事を嫌い、ずっとこの事実を隠してきました。
それが、つい最近の話ですが、2018年に執り行われた守谷絢子さんの結婚披露宴晩餐会の引き出物として納めたボンボニエールが別の窯元製であると誤報されてしまい、これを否定するために、宮内庁の御用達である事、このボンボニエールも深川製磁のものであるという事を公表しました。これにより、深川製磁のブランド価値はグンと跳ねあがりました。
また、2019年公開の映画「アルキメデスの大戦」の中でも深川製磁の陶磁器が使われるシーンがあると公式ホームページで公表しています。
歴史的なシーンに色を添える役も担う、貴重な陶磁器を世に送り出しているという事ですね。
そんな深川製磁の陶磁器は、超一流料亭や有名レストランで食器として人気を博しています。芸術性の高い深川製磁の陶磁器は料理に華を添えるのにも最適なのでしょう。
そんな深川製磁の素晴らしい花瓶は、家に置いておくだけで急にその空間が格式高いものになったかのように感じられること請け合いです。
カインドベアではこのような一級の骨董品、珍しく価値のある美術品も数多く取り揃えております。ご興味ある方は是非足をお運びください。
また、ご自宅に骨董品や美術品が眠っているという方も、ぜひカインドベアにお持ちください。プロの鑑定士がその価値を査定いたします。
今回は、ちょっと珍しいオルゴールのご紹介です。
リュージュというスイスのオルゴールメーカーが手掛けた72弁のオルゴールで、3曲が収録されています。
1曲目:Don’t Cry for Me Argentina(アルゼンチンよ 泣かないで 「エビータ」より)/作曲:A L Webber アンドルーロイドウェーバー
2曲目:Chariots of fire(炎のランナー)/作曲:Vangelis ヴァンゲリス
3曲目:Memory(メモリー ミュージカル「キャッツ」より)/作曲:A L Webber アンドルーロイドウェーバー
収録曲はこちらの3曲で、映画音楽やミュージカル音楽のラインナップです。
スケルトンタイプのオルゴールなので、オルゴールの内部が見えるようになっていて、どのように音が鳴るのかという仕組みを見ながら音楽を楽しむ事ができます。
底の部分にはねじがあり、これを巻いて鑑賞します。また、お洒落なカードが貼ってあり、ここに曲名が書かれています。
72弁とは、オルゴールの音が72個という事で、内部を見ると細い弁が72個あるのが確認できます。これらの弁がロールの突起を弾く事で音が鳴るという、オルゴールの基本的かつ古典的な仕組みで演奏されるのです。
リュージュは、もともと時計職人だったシャルル・リュージュという人物がオルゴール入りのポケットウォッチを開発して販売しはじめたのをきっかけにオルゴールメーカーとしての第一歩を踏み出しました。
シャルルの息子アルベールが本格的にオルゴールショップを開き、時計屋からオルゴール屋に転身したリュージュは、その後オルゴール産業に全力を注ぎ、そして貢献していきます。
オルゴールは、英語だと「Music Box」つまり「音楽箱」と言われます。
小さな箱のねじを回せば、なんとも言えないノスタルジックな音色で音楽が奏でられるオルゴールには、不思議な温かさと懐かしさを感じられる魅力があります。
金属のロールを金属の弁が弾いて音を出しているわけですから、金属的な音色になるのですが、不思議と温かさを感じてしまうのは、そこに職人たちの手作業という「ものづくり」の魅力が込められているからだと、私はそう思うのです。
リュージュのオルゴールは機械量産ではなく、職人たちが手作りでひとつひとつ作っています。人の手で作られたものならではの血の通う温かさが、リュージュのオルゴールの音色には確かに宿っています。安心するような、ほっとした気持ちになれるような、そしてどこか少しだけ切ないような、そんな複雑な音色を是非お楽しみください。
今回お買取りの釉裏金彩線文様の香炉(共箱、共布、栞付き)は、人間国宝である九谷焼錦山窯三代の吉田美統氏が手掛けた作品です。
吉田美統氏は、石川県小松市高堂町の九谷焼上絵付を専業とする窯元「錦山窯」の三代目で、初代である吉田庄作が明治39年(1906年)に開業して以来脈々と受け継がれている窯の火を絶やす事なく、その伝統的な職人技を現代まで受け継いでいます。美統氏は、金箔の薄箔と厚箔を用いて遠近感を出す「釉裏金彩(ゆうりきんさい)」という手法を得意とし、その繊細な技術は人間国宝に認定されるほどの素晴らしいものです。
今回お買取りした釉裏金彩線文様の香炉にも「釉裏金彩」という言葉が入っている通り、金箔の濃淡が奥行きと立体感を感じさせる美しい模様が描かれています。
縦にストライプのように伸びる厚箔と、その間に走る波打つような薄箔が洗練された美しさを演出し、更に香炉そのものの色味も底から蓋に向かい、エメラルドグリーンのような青みがかった緑色から黄色へと柔らかいグラデーションとなっており、全体的にスタイリッシュなデザインとなっています。
底には「美統」の文字がしっかりと刻まれているため、人間国宝である吉田美統氏が手掛けた作品であるという事がひと目で分かります。
和を感じさせるデザインでもあり、中国の陶器のようなデザインに感じられる一面もあり、更には西洋のイメージすら彷彿とさせる、そんな不思議な魅力を放つ釉裏金彩線文様の香炉は、和室に置いても洋室に置いてもピッタリと馴染む事でしょう。
香炉ですので、お香を立てて香りを楽しむために使われるものですが、ただインテリアとして飾っておくだけでも楽しめる作品です。決して華美になりすぎない存在感で、お部屋のワンポイントとして毎日の生活に彩を添えてくれる事でしょう。
共箱、共布、そして栞も付いているため、普段は箱にしまっておき、大切なお客様が見える際などに共布の上に置いて栞も添えて飾っておけば、いつものお部屋がワンランク上の空間に変わります。
勿論、本来の香炉としてお使いいただくにも最適です。お香を楽しむ際には折角ですので、釉裏金彩線文様の香炉のカラーや模様のイメージ合った爽やかでたおやかな香りを選び、香炉と香りのコラボレーションを視覚と嗅覚で楽しむというのも一興かもしれませんね。
大切な客人を招いても受けられる茶席に欠かせないのが、数々の茶道具。「もてなし」の精神で選ばれる茶道具すべてが、茶席に招かれた人をつねに感動させます。茶器とともに茶席で注目を集めるのが、湯沸。よく手入れされた銀瓶はいぶし銀の輝きを放ち、茶席で品格ある存在感を放ちます。
日本の伝統技術でもある霰打ちされた銀瓶の人気は高く、霰型の突起が尖ったものほど価値が高くなる傾向にあります。カインドベアでは、伝統工芸品の銀瓶や銀壺の買取をしています。ぜひ買取査定にお持ちください!
殺風景だった壁にお気に入りの絵を一枚飾ってみる――。それだけで、部屋や生活にメリハリが出て、毎日を心豊かに過ごせることがあります。オリジナルになると高額になる絵が多いですが、リトグラフなどの版画であれば気軽に部屋に飾ることができます。絵のある生活を楽しんでみるのも日常を楽しむヒントにかもしれませんね。
現代日本画家のなかでも独特の作風が特徴の萩太郎の銅版画(リトグラフ)は、繊細な線の強弱が美しく、観る人を飽きさせません。「バレリーナA」の柔らかな描写は、「見事」の一言に尽きます。
中国の茶器は、絶え間なく使い続けることで独特の艶と風合いを生み出します。適度なお湯でお茶を入れることで、時と経過ともに起こってしまうひび割れや色褪せなどの劣化を防ぐことができるといわれています。
「時代物の貴重な急須だから」とコレクションとして単に飾るよりも、貴重な急須だからこそ使い続けることでより価値のある骨董品として評価されることもあります。年代物の価値のある急須で入れるお茶は、味わい深く、格別に感じられるはずです。
ヨーロッパでもっとも古い磁器ブランドでもあるヴァランドルフをご存知でしょうか?ヴァランドルフは、創立から250年以上もの歴史を誇り、いまも世界中で愛され続けている老舗の陶器ブランドです。
陶器の質もなめらかで美しく、職人の手書きによる着色は繊細で色鮮やか。特に、バレリーナは、舞台で踊る前の息遣いが感じられるほどの精度が高いフィギュリンです。お部屋に一つ飾ってみてはいかがでしょう。いつものお部屋が、一気にエレガントな雰囲気に変わりますよ。
和ブームとともに再度注目が集まってきている、鼈甲櫛。昔ながらの極上金銀蒔絵を施した本鼈甲櫛には、アンティークのものだけでなく、近年の作家によるものも多数あります。最近では、舞妓姿に魅せられた海外観光客が購入している人気のお土産アイテムになっているんですよ。
鼈甲櫛や笄はそれだけでも気品があるので、きっちりと日本髪にと結わなくても、ルーズシニオンにもピッタリです。夏のシーズンには、浴衣はもちろん、絽や紗の着物と合わせると、涼やかで趣のある古風な和風美人に格上げできるアイテムですよ!
1988年に三代徳田八十吉を襲名した徳田正彦は、世界的にも知名度が高く、いまもなお日本を代表する現代陶芸家として愛され続けています。
人間国宝でもある三代目徳田八十吉の作品は、ブルーを基調にグリーンやイエローなど混ざり合う独特の色合いが特徴で、宝石のような美しさと上品な存在感が魅力となっています。
三代目徳田八十吉の箱書きされている共箱にも高い価値があります。
花瓶と一緒に箱書きされた共箱もお持ち下さい。
茶道にはさまざまな作法がありますが、茶室はその作法の理に適ったつくりとなっています。炉用の紹鴎棚は、「紹鴎袋棚」とも呼ばれています。天板には硯箱や一輪挿、香炉などを飾り、地袋の右側には水指、左側は点前後の柄杓と蓋置となっています。
今回お持ち込みいただきました紹鴎棚(紹鴎好写 組立式)は傷や汚れはありますが、今後もまだ使える棚となっています。茶室には欠かせない紹鴎棚は中古市場でも人気があるため、高価買取となりました。
カインドベアでは、アンティーク茶道具買取も取扱っています。