沖縄には「やちむん」という陶器があります。「やちむん」は「焼き物(やきもん→やちもん→やちむん)」の沖縄弁ですが、沖縄の土を使って作られる味のある焼き物です。
陶器、磁器などの「焼き物」は、有田焼や伊万里焼、信楽焼など、本州にその名家があるように思われがちですが、沖縄にも人間国宝の称号を得た職人がいます。
それが、金城次郎です。
大正元年に沖縄で生まれた金城は、国の重要無形文化財である沖縄陶器の技能保持者で、沖縄県初の人間国宝となりました。
彼はもともと壺屋に生まれ、13歳にして陶工としての腕を磨くために新垣栄徳に師事し、めきめきとその才能を開花させていきます。生まれながらにしての陶工と言っても過言ではない金城は、日常的な暮らしの中に美しいものを取り入れるという「用の美」を追求し、飾るための陶器ではなく、使うための陶器を中心に制作活動を展開していきました。
金城が好んだのは魚をモチーフとして描いた陶器です。
沖縄の美しい海に慣れ親しんで育ってきた金城にとって、海は心のよりどころであり、魚は心を解き放ち故郷の温かさを感じられる象徴として金城のデザインの中でのびやかに泳いでいるのでした。
今回お買い取りした魚文カラカラは、そんな金城の個性が実によく表れた作品です。
「カラカラ」とは沖縄や鹿児島の言葉で徳利を意味しています。
ただ、一般的な徳利とは少し形状が異なり、平べったいような形をしているのが特徴です。
徳利というと日本酒(清酒)を注ぐためのものですが、カラカラは泡盛を注ぐために使われています。
そんなカラカラと猪口がセットになった本品は晩酌に最適です。
ご自身用に、お酒好きのご家族やご友人に、特別なひと時をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
カラカラには金城の代表とも言える魚の絵が描かれており、泡盛を注いでクイッとあおれば、沖縄を旅しているような気分が味わえます。
もちろん、泡盛でなく日本酒を注いでも、乙な風情を感じられます。
カインドベアでは有名な陶工が手掛けた陶器を多数取り扱っております。
お好みの逸品を見つけてみてはいかがでしょうか。
また、お買い取りにも力を入れております。代々受け継がれている陶器や、いただきものの陶器などで、使っていないものがございましたら、ぜひお持ちくださいませ。