沖縄の伝統的な郷土玩具、古倉保文の『琉球張り子:チンチン馬(チンチンウマグァー)』をお買取りさせていただきました。
琉球張子は、古くから沖縄で作られてきた伝統的な郷土玩具です。子どもの健康と成長、そして出世を願って親が買う縁起物で、旧暦5月4日の『ユッカヌヒーの日』に開催された玩具市で売られていました。
「ユッカヌヒー」とは沖縄の方言で「4日の日」という意味で、子どもたちの健やかな成長を願う日です。
琉球張子は沖縄らしい南国の雰囲気が感じられる鮮やかな色使いが特徴で、今は土産店などに沖縄郷土手工芸品として並んでいます。
琉球張子のモチーフはさまざまで、お土産として人気なのはシーサーや琉球王国の民族衣装をまとった人形などですが、今回お買取りした「チンチン馬」も代表的なモチーフのひとつです。
チンチン馬(チンチンウマグァー)とは、琉球王朝時代の風俗を表したモチーフで、王族が馬にまたがった姿を表現しています。車のついた木箱の下には針金の弦がつけられており、引っ張るとそれがチンチンと音を立てることから「チンチン馬」と呼ばれるようになりました。「チャンチャン馬(チャンチャンウマグァー)」や「シャンシャン馬(シャンシャンウマグァー)」と呼ばれることもあります。
また、車を転がすと、馬の頭が上下にうごくからくりも仕込まれており、独特な雰囲気を楽しめます。
玩具として作られていた琉球張子ですが、当時は一般庶民にはなかなか手の出ない高級品だったと言われています。
本作は琉球張子の第一人者である古倉保文が製作したもので、木箱の裏側には「琉球郷土玩具 古倉保文」と押印されたラベルが貼られています。
「チンチン馬」は、午年の年賀切手のデザインにも起用され、新年の喜びを表現するかのような艶やかなデザインで人々の目を楽しませました。
カインドベアでは、日本の民芸品、古美術品、伝統工芸品など、価値あるさまざまな作品のお買取りに力を入れています。日本が誇る名匠の作品や、歴史的価値の高い代物など、ご自宅に眠っているものがございましたら、ぜひ一度査定させていただければ幸いです。
日本だけでなく、世界の名画、アート作品、版画なども積極買い取りしております。価値ある芸術作品を、必要とする人のもとに届け、日の目を浴びられるよう、ぜひともご協力くださいませ。